カラーでよくある失敗の1つが「根本だけ不自然に明るくなった」というものです。
美容師界隈では「根上がり」と表現されるこの現象ですが通常のカラーにしろブリーチにしろかなり不自然な感じになってしまいます。
毛先だけが明るい状態であれば、まだ自然なグラデーションに見えて不自然ではありません。
これは人間の毛先というのは全く染めてない場合でも紫外線や熱などのダメージによって毛先は明るくなるためです。
自宅でのカラーでの失敗も美容室での失敗も原因は同じことが多いです。
今回はカラーで根本だけ不自然に明るくなる原因と対処法を解説していきます。
カラーで根本だけ明るくなるのは何が原因なの?
カラーで根本だけ不自然に明るくなる原因は、
・同じ薬剤でも根本は頭皮の体温で薬剤が過剰に反応した
・根本を最初に塗って後から毛先を塗った
・初めての(かなり久々の)カラーだった
・黒染め(暗めカラー)の履歴があった
・ブリーチの履歴があった
・縮毛矯正やデジタルパーマの履歴があった
などが挙げられます。
思い当たるものから意外なものまであるとは思いますが順番に解説していきますね。
・同じ薬剤でも根本は頭皮の体温で薬剤が過剰に反応した
カラーで根本だけ明るくなるパターンで最も多い失敗のパターンがこの「頭皮の体温で根本の薬剤が過剰反応した」パターンです。
カラー剤もパーマ剤などもそうですが熱により薬剤の反応が促進されます。
これにより根本は薬剤が過剰に反応し結果的に根本だけが明るくなってしまいます。
特にブリーチの時に根元だけが明るくなってしまうとその後に入れる色もそれに沿うような状態で色が入りますので色の違いが目立ってしまいます。
・根本を最初に塗って後から毛先を塗った
前述の通り温度は薬剤の浸透に大きな影響を与えますが時間も同じくらい薬剤の反応に影響を与えます。
最初に根本を塗って後から毛先を塗る場合しっかりと根本を塗っていると10分程時間が過ぎてたりしています。
この10分で髪質によってはかなり染まってしまいます。
ただ塗る順番に関しては髪質や施術の履歴、髪の長さなどによっても変わってきます。
基本的には暗くするか明るくするかで決めることが多いのと、わからなければ毛先から塗る方がどちらかと言うと失敗は少ないと思います。
注意して欲しいのは毛先から塗ると根本に薬剤が足りなくなることが多いです。
薬剤の残量や塗りムラなどに繋がりやすいので気を付けましょう。
ちなみに美容室では根本と毛先で色を分けることが多いです。
これにも似たような理由があるので詳しくは別記事でも解説していますのでご参照ください。
・初めての(かなり久々の)カラーだった
初めてのカラー(久々のカラー)なども気をつけないと根本と毛先で色の差が出やすいです。
根元は前述の通り根本は体温で上がりやすく逆に毛先はトリートメントなどに含まれるシリコンなどが長年の歳月で積み重なっています。
そのため毛先はなかなか色が抜けづらく(明るくなりづらく)根本は簡単に明るくなります。
初めてのカラーなどは自分でやりがちですが初めてのカラーこそ難易度が高いので美容室で行うことを推奨します。
・黒染め(暗めカラー)の履歴があった
黒染めの履歴がある場合は特に注意が必要です。
人間の髪の毛のピュアな黒髪と一度明るくしてから黒くした黒では染まり方に違いが出てきます。
ピュアな黒髪は自然に明るくなってくれるのですが黒染めの場合おそらく色はほぼ変わらないと思います。
黒染めの人工的な色素は髪の内部にしっかり定着するようにかなり濃いめに作られています。
このため少し明るくする程度の薬を使ってもトーンはほぼ変わらず逆に黒染めをしてない部分がだけが反応し明るくなります。
黒染めをしたという過去は変えられないので黒染め部分が無くなるまでは黒に合わせるのが無難です。
黒染めではない暗めのカラー(黒寄りのブラウン)でも似たような現象が起こりますが暗めのカラーであれば黒染めほど濃くはないのでトーンは少し上がってくれるはずです。
美容室で染める場合は必ず黒染めをしていることを最初のカウンセリングの段階で伝えましょう。
・ブリーチの履歴があった
ブリーチの履歴がある場合も根本と毛先で色の差は出ます。
ただこの場合は根本だけが明るくなるわけではなく根本だけがブリーチ部分に追いつかず暗めに仕上がるパターンです。
美容室で染める場合は美容師さんから説明があるとは思いますがブリーチをした部分とブリーチをしてない部分で色の入り方が違ってきます。
ほとんどの場合でブリーチをしてない部分は根本だと思うので根本が茶色く、毛先は鮮やかに色が入るはずです。
この場合は失敗というよりは仕方のないことなので気になったらまたブリーチをするかブリーチ部分を暗めにして暗い方に合わせるかの2択になるとは思います。
ちなみにブリーチをした髪の毛にそもそも色が入らなかった(金髪に近いままだった)場合はまた違う話になってきますのでそれに関してはまた別記事で解説しています。
・縮毛矯正やデジタルパーマの履歴があった
意外かもしれませんが縮毛矯正やデジタルパーマの履歴があると染まり方にかなり差が出ます。
これは縮毛矯正やデジタルパーマがホット系の熱を使うパーマになるためです。
この辺りのホット系パーマやコールド系パーマなどのお話は別記事で詳しく解説しています。
髪の毛のタンパク質というのは熱を与えると固まります。
これはタンパク質である卵に熱を与えると(フライパンの上に落とすと)固まることと同じです。
この性質を利用して形を作っているのが縮毛矯正やデジタルパーマです。
このタンパク質が固まった状態というのが少し悪い言い方をすると髪の毛が焦げた状態になります。
髪の毛が焦げた状態では内部で色素が安定せずカラーをすると大なり小なり「濁り」が生じます。
この生じた濁りが原因で縮毛矯正やデジタルパーマをした部分だけ髪が暗くなります。
縮毛矯正やデジタルパーマをかけてない場所(恐らく多くの場合根本)は通常通りに染まるので根本だけが明るくなります。
セルフカラーで一色で染める場合は時間差で塗ったりしてもほぼ効果がないので色を分けるか縮毛矯正やデジタルパーマ部分を外して塗るかの2択かと思います。
既に根本だけが明るくなってしまった場合はどうすればいい?
ここまで色々と原因とその対策なども解説してきましたが恐らくこの記事にたどり着いた人は既に髪の色が根本と毛先で違う人も多いかと思います。
従って対処法についても解説しますので安心してください。
既に根本と毛先で色が違う場合、直す方法は至ってシンプルで、
・暗い方に合わせる
・明るい方に合わせる
のどちらか2択になります。
で、この2択を選ぶ場合に圧倒的に成功率が高いのが「暗い方に合わせる」ことです。
特に、
・縮毛矯正やデジタルパーマの履歴がある場合
・黒染めの履歴がある場合
の2つに関してはほぼ暗い方に合わせるという選択肢しかありません。
この2つに当てはまった人で「根本だけが明るくなってしまった」という人は「本当は明るくしたかった人」がほとんどだとは思うので残酷な真実ですが不自然でないのは暗い方に合わせることです。
それ以外の、
・頭皮の体温で薬剤が過剰に反応した人
・根本を最初に塗ったことによって根本が明るくなってしまった人
この2つに関しては暗い方に合わせることも明るい方に合わせることも出来ますが失敗が少ないのは暗い方に合わせるパターンです。
まとめ
今回のことをまとめると、
・毛先が明るいのは自然なグラデーションだが根本だけが明るいのはとても不自然に見えてしまう
・根本と毛先が同じ薬剤でも根本は頭皮の体温により薬剤が過剰な反応を起こす
・髪質によっては塗る順番で根本と毛先の仕上がりに差が出る
・毛先から塗る方が大きな失敗は少ないが根本に塗布量が足りなくなりがちで逆にムラになることがあるので注意する
・初めてのカラーは根本の体温と毛先のシリコンの影響を受けやすいのでムラになりやすい
・黒染めの場合は黒染め部分の色がほぼリフトしないので黒染め部分は暗いままで黒染め以外のところが明るくなるような事故が起こりやすい
・縮毛矯正やデジタルパーマの履歴があると熱によるダメージの影響で髪の毛の内部が濁りやすく縮毛矯正やデジタルパーマ部分だけが暗くなりやすい
・ブリーチの履歴がある髪の毛も根本と毛先で色の差が出やすいが根本だけが不自然に明るくなるわけではないので気になった頃にまたブリーチをして調節していく
・髪の毛の根本と毛先で色が違ってしまった場合に直すのはシンプルで根本の暗い色に合わせるか毛先の明るい方に合わせるかの2択になる
・暗い方に合わせるか明るい方に合わせるかだと暗い方に合わせる方が失敗が少なく簡単
などとなってきます。
カラーの失敗はとてもショックですが原因によっては直すことも可能です。
今回話したように原因によりかなり時間が立たないと直せないようなものもあるので焦らずに自分にあった方法で対処して行きましょう。
セルフでのカラーは難易度も高くリスクも高いです。
やはり時間に余裕があるのであれば美容室でしっかり染めてもらうのが一番です。
ただ美容室で染めてもらう場合でもカウンセリングでしっかり髪の状態を伝えましょう。
カラーは簡単なようでとても複雑なので少しでも不安や疑問が残っているのであれば美容師さんに必ず相談しましょう。
きっと嫌な顔をせずに答えてくれるはずです。
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