生きていれば髪の毛を暗くしないといけないシーンというのは出てきますよね。
その時に「黒染め」をするのかそれとも「暗染め」で落ち着かせる程度にするのか、という選択肢が出てくると思います。
今回はそんな黒染めと暗染めの違いやそれぞれのメリットや注意点などを解説していきます。
そもそも黒染めとは?
ほとんどの美容室で黒染めとは黒染め用の薬が特別に用意されているわけでもありません。
主に白髪染めの一番暗い黒やおしゃれ染めの一番暗い色を使って黒く見せていくのが「黒染め」となります。
市販の黒染めは「黒染め」などの商品名がついているものあるとは思いますが仕組みは同じです。
つまり極端に色素が濃い色で染めていき黒髪を完成させることを黒染めと呼びます。
白髪染めもおしゃれ染めも明確に「ここからが白髪染め」などという区切りはありません。
黒染めをする際に混ぜている美容師さんもいますし単体で使う美容師さんもいます。
ちなみに白髪染めとおしゃれ染めの違いに関しては別記事でも詳しく解説しています。
暗染めってどの辺りからが暗染め?
黒染めに対して暗染めとは黒染めより比較的色素が明るい色を使って暗めに染めていくことを暗染めと言います。
日本人の黒髪が4レベル程度と言われているのに対して暗染めは5レベルから6レベル程度の色を指すことが多いです。
よく言われる「限りなく黒に近い茶色」がこの暗染めの色になります。
就活などでも5レベルぐらいで十分な場合も最近は多いと思います。
ちなみに銀行などでも女性の場合は7レベルまでなどと定められている場合が多いようです。
一般の会社でも7レベルまでという所は多いようです。
従って、5レベルから6レベル程度であれば十分暗染めと言える範囲かと思います。
ちなみにブリーチなしでの明るさの限界は12〜14レベルぐらいで15レベル以上はブリーチがないとほぼ不可能です。
なので仮に10レベルぐらいであれば会社でもNGのところが多いかと思われます。
黒染めのメリット
ここからはそれぞれのメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。
まず黒染めのメリットですが、
・色持ちがいい
・根本が伸びても気にならない
・失敗が少ない
などとなってきます。
これらを順番に解説していきます。
・色持ちがいい
言うまでもなく色持ちが圧倒的にいいです。
すぐに色落ちをしやすい人でも色落ちの心配はほぼありません。
特にブリーチをしている人は色落ちの速度が尋常じゃないので暗染めだとカバーできない可能性があります。
・根本が伸びても気にならない
根本が伸びても気にならないのが黒染めの特徴です。
長期間染める予定がない時などは黒染めの方がいいかもしれません。
もちろん暗染めにしてグラデーションっぽくするのもありかなとは思います。
・失敗が少ない
ここで言う「失敗が少ない」とは暗染めに比べて失敗が少ないということです。
暗染めの失敗でよくある
・結局色落ちして明るくなってしまった
・伸びたら根本の黒い部分がプリンになってしまった
などの失敗は避けられるという話です。
今後染める予定が無く迷っているのであれば黒染めの方がいい場合があります。
また、特にブリーチからの暗染めは失敗が多く、ムラになりやすいです。
また既にムラになっていた場合でも均一で黒に出来るので暗染めに比べて失敗は少ないです。
黒染めのデメリット
そして黒染めのデメリットとしては、
・入れた黒が強いのでその後に明るくしづらい
・人によっては黒染めしたって感じの黒光りをした黒になる
・次に明るくする時に赤みや黄色みが出やすい
などとなってきます。
これらも順番に解説していきます。
・入れた黒が強いのでその後に明るくしづらい
黒染め最大のデメリットです。
黒染めとはかなり濃い色素を詰め込むのでその後のカラーで明るくすることはほぼ不可能です。
黒染めをした後に仮に明るくする場合はブリーチなどを使い色を抜いていくことになる可能性が高いです。
しかしながらブリーチを使うとムラになる可能性も高くなります。
ブリーチを使うにしろ使わないにしろ黒染め部分と根本のヴァージン毛でもまた染まり方が違うので綺麗に染まるようになるまでに時間はかかります。
・人によっては黒染めしたって感じの黒光りした黒になる
髪質や癖にもよりますが人によっては黒光りをしたような不自然な黒になります。
黒染めをするに当たって、本当に真っ黒が規定なのか確認してからの方が安全ですね。
ただ、元の髪の毛が割と黒い人はそこまで不自然ではないので大きなデメリットではありません。
・次に明るくする時に赤みや黄色みが出やすい
黒染めとは次に明るくする時に赤みが出やすいという特徴があります。
黒染めなので「黒」という色素で染まっているように感じますが実際はそんなに単純ではありません。
絵の具で想像すると分かりやすいですが色々な色を混ぜていくと徐々に黒に近くなっていくと思います。
カラー剤の黒とは、この絵の具の「様々な色が混ざって結果的に出来た黒」で染めているイメージに近いです。
黒染めの薬はこの混ざった色の中でも赤みや黄色みが多く含まれてます。
これにより次に染める時に赤みや黄色みが出やすくなります。
暗染めのメリット
暗染めのメリットは、
・今後のカラーに影響が出にくい
・変に黒光りせず暗めの色の種類も選ぶことが出来る
などとなってきます。
これらもまた順番に解説していきます。
・今後のカラーに影響が出にくい
暗染めの最大のメリットがこの「今後のカラーに影響が出にくい」です。
色の違いだけを見ると黒染めも暗染めもあまり変わらない気がしますが入っている色素の量にはかなり違いがあります。
このため今後明るくしたりブリーチしたいなと思った時に実行することができます。
特に「今後明るくはしないかなぁ〜」なんて考えていても1年後ぐらいに「やっぱ明るくしたい!」と思う人は多いです
(僕が美容師をしていてお客様の話を聞いていての実体験です)
髪の毛とは1ヶ月に1センチしか伸びないのでボブなど短めの髪の毛であっても表面は完全になくなるまで1年ほどはかかります。
この辺りをよく考えて黒染めか暗染めか選びましょう。
・変に黒光りせず暗めの色の種類も選ぶことが出来る
黒ではない暗めの色なので色の種類を選ぶことができます。
暗めのグレーや暗めのピンクなどこっそりレベルですが発色させることができます。
またこの時に入れた色素は次に明るくする時に生きてきます。
「次明るくしていいときはピンク系にしよう」など決まっていればピンク系の混ざった暗染めをすると繋げやすいです。
暗染めのデメリット
暗染めのデメリットは、
・長期間暗くすることはできない
・ブリーチなど元の髪に多少のムラがある場合、そのままムラになりやすい
などとなってきます。
こちらも順番に解説していきます。
・長期間暗くすることはできない
暗染めは色素が濃くない分、徐々に色落ちはしてきます。
暗い色をキープしていく場合は定期的に染め直す必要が出てきます。
髪質や施術の履歴によっては1ヶ月1回ぐらいには定期的に染めないと行けない場合も珍しくないので注意しましょう。
・ブリーチなど元の髪に多少のムラがある場合、そのままムラになりやすい
前述でも黒染めはムラがある髪に行っても均一に黒になるので失敗は少ないという話をしました。
しかし暗染めの場合は「沈めるとこまで沈める」というスタンスではないので多少の色の違いは残ります。
特にハイライトやインナーカラーなどをしていた場合にはブリーチをしていた部分だけ色が少し明るくなるはずです。
そして色落ちをしてくるとこの差がかなり顕著に出てきます。
黒染めではこの辺りは均一に染めることができます。
ハイライトやインナーカラーが入っている人は一度美容師さんに相談した方がいいかもしれません。
黒染めや暗染めも美容室でやった方がいいの?
黒染めや暗染めって他のカラーに比べて自分でやりがちだったりすると思います。
ただ黒染めや暗染めこそ美容室でプロにやってもらうことをお勧めします。
カラーというのは一気に暗くしたり一気に明るくする時に失敗しやすいからです。
特に今はブリーチをしている人も増えているとは思います。
ブリーチからの黒染めや暗染めはプロでも見極めや塗り残しが多く入念なチェックが必要です。
髪の毛の量が多い人や長い人は市販では薬剤が足りずにムラになることも多く酷いと変なハイライトが完成します。
暗くしないと行けないシーンこそ失敗できないタイミングだと思うので美容師さんに頼るのがオススメです。
ちなみに市販のカラー剤と美容室でのカラー剤の違いに関しては別記事でも詳しく解説しています。
結局どういう基準で選べばいい?
まとめ的な感じに近いですが黒染めか暗染めか迷っているのであれば判断基準として、
・今後カラーをしていく予定はあるか
・ブリーチをしているかどうか(ハイライト、インナー含む)
・職場や学校でどの程度までの暗さを求められているか
・どのぐらいの期間暗くしないと行けないか
によって決めるといいかなと思います。
まとめ
今回はかなり長くなってしまいましたがいかがだったでしょうか?
たかが暗くするだけと言えど髪の毛の状況やその後のカラーのことなどを考えてもかなり複雑ですよね。
暗染めであっても、どの程度の暗染めかによってその後にどこまで明るく出来るかが変わってきます。
結局はどれを取るかという問題になってきますね。
その後に髪の毛をどうしていきたいのか、美容師さんから尋ねてくれればベストですよね。
ただ、聞いてくれないこともあるかもしれないので今回のことを頭の片隅に入れておいてください。
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