【美容師が解説】セルフカラーでなるべくダメージをさせない方法について

カラー

 

最近はコロナの影響もあって自分でカラーをする人が増えてきているように感じます。

ただ市販のカラーに抵抗がある人も多いと思います。

もちろん美容師としては市販のカラーは推奨しません。

ただ「どうしても染めたいけどタイミング的に美容室に行けない…」って時もありますよね。

そんな時にダメージを最小限に抑える方法について今回は解説していきたいと思います。

セルフカラーでなるべくダメージを抑える方法

前提として美容室のカラーが一番傷まないです。

これはお客様一人ひとりの髪質を診断し美容師がその人に合ったカラー剤の調合をしているためです。

しかしセルフカラーの場合でもなるべくダメージを抑える方法もあります。

ここで紹介するのはあくまでも「いつも美容室で染めているけど今回は止むを得ず家で染める」パターンです。

ただ紹介する方法によっては「いつも(これからも)セルフカラーで染めてます!」って人も使えるものが多いので参考にしてみて下さい。

ダメージを抑える方法としては、

・なるべくリタッチだけで済ませる

・見える部分(トップや顔まわり)だけを染める

・根本と毛先を時間差で塗る

などとなってきます。

これらを順番に解説していきます。

・なるべくリタッチだけで済ませる

市販のカラーって毛先まで塗りがちですがなるべく根本だけのリタッチで済ませましょう。

根本だけを塗るってかなり難しいかもしれません。

慣れるまでは難しいかもですが無駄に毛先にダメージを与えずに染められる唯一の方法です。

カラーで一番傷まない継続的な染め方とはこの「リタッチを繰り返す」ことです。

もちろん全体の色を変更したい場合には不向きですが「とりあえず根本のプリンになってきてる部分が気になる」などの理由であればオススメの方法です。

ちなみにリタッチだけをやっていくメリットに関しては別記事でも詳しく解説しています。

・見える部分(トップや顔まわり)だけを染める

こちらはリタッチよりも更に範囲が狭い塗り方です。

実際に見える部分であるトップや顔まわり「だけ」を染めていくという方法になります。

この方法だと完全に「今回はいけなかったけど次は美容室で染めよう!」と思っている人向けの方法です。

前述のリタッチのみのやり方より更に傷まないやり方になっています。

ただ「継続的に行うことはできない」ということには注意が必要です。

あくまでも美容室までの繋ぎですが「トップと顔周りの根本」しかダメージしないので圧倒的にダメージが少ないです。

詳しく後述しますが、ほぼ確実に部分塗りはカラー剤が余ります。

ただそれは必要ない場所に塗ってダメージするよりはいいので捨てて下さい。

(次回に残しても酸化して反応しているので染まりません)

・根本と毛先を時間差で塗る

毛先まで染めたい時のダメージを抑える方法です。

先に根本を塗って染まりやすい毛先は後で塗るパターンです。

自分でカラーをする時にはかなりの手間となり大変かもしれません。

ただ毛先というのは一度染めてる部分になるので基本的には染まりやすいです。

同じ時間で塗ると毛先だけ過剰に染まりダメージの原因になります。

よく美容室で時間差で塗ることが多いのはこのためです。

根本と毛先を時間差で塗る方法は髪の長い人ほど効果的です。

リタッチだけやトップだけを染めた場合に薬剤が余るんだけどどうするの?

ここまでの傷ませない方法で根本だけやトップと顔まわりのみを塗っていた場合、市販の決まった量の薬剤は余ると思います。

ただ、それでいいです。むしろその方がいいです。

薬剤が余ったからと言って塗る必要のない毛先に塗ると本来ダメージしなくていい毛先が傷みます。

傷むとキューティクルの剥離に繋がります。

そして髪の毛のキューティクルというのは一度剥がれたら修復しません。

つまり例えカラー剤が余っても、長い目で見ると「塗らなくてもったいない」ではなく「塗るともったいない」ということです。

髪の毛というのはケラチンタンパクという爪とほぼ同じ成分です。

なので爪で例えると分かりやすいですが一度傷ついた部分は修復しません。

なので「ダメージを補修すること」よりも「ダメージさせないこと」がいかに大切かが伺えますね。

ちなみに市販のカラーの薬剤って染まるの?

市販のカラーの薬剤がそもそも染まるのか問題ですが結論から言うと染まります。

が、ダメージはかなり大きいです。

要は、誰が染めても簡単に染まるように薬剤が強めに作られています。

染まっていなければ次のリピートに繋がらないので多少傷んでも染まりを優先しているわけですね。

これはトーンダウン、トーンアップ、白髪染めで同じです。

つまり市販のカラーで髪のケアは守備範囲外です。

市販のカラーと美容室のカラーの違いについても別記事で詳しく解説してあります。

美容室でカラーをすることのメリットについて

市販のカラーで傷むというのはなんとなく分かっている方も多いかと思います。

ただそれ以外にも美容室で染めるメリットが数多く存在します。

・髪質を客観的に判断して薬剤を選定してくれる

・できる施術と出来ない施術の見極めが出来る

・やりたいカラーがある場合にそれに向けての今後の方向性を教えてくれる

・今の色から入りやすい色や抜けたらどうなるかも教えてくれる

・根本と毛先で薬剤を的確に塗り分けることが出来る

・薬剤塗布後の放置時間は的確なタイミングで流してくれる

・ブリーチなどを使った立体的なデザインのカラーができる

・塗る順番などを意識して染めるためムラになりづらい

・ざっくり伝えればお任せでもいいので単純にラク

…etc

ダメージ以外に限定しても挙げたら正直キリがないです。

市販のカラーの大きなメリットである

・自分の好きな時間で行うことができる

・安く済ませられる

の2つと比較して、どちらをとるか好みの問題ですね。

美容室のカラー剤と市販のカラー剤の違いってどういうものなの?

市販のカラー剤に対して美容室のカラーではカラー剤の中にトリートメント成分が多く入っているのが特徴です。

また市販のカラーと美容室のカラーで大きく違うのが「過酸化水素水」という俗に言うカラー剤の2剤というものになってきます。

このカラー剤の2剤ですが医薬部外品なので日本で強さの規定があります。

日本での過酸化水素水の濃度は薬事法で1.5%〜6%の間です(海外ではもう少し強いものもあります)

この過酸化水素水の濃度が濃いほど(6%に近いほど)薬剤が強くなります。

ただ市販の薬剤はほぼ全て6%の過酸化水素水で出来ています。

要するに「どんな状態でもとりあえず染まるような強めのカラー剤」が市販のカラー剤となっています。

美容室では髪の状態や施術の履歴などお客様一人ひとりに合わせて色を選ぶのももちろんですがこの2剤で薬剤の強さもコントロールしています。

根本と毛先で2剤を別にして毛先に負担がかからないようにしたりも出来ます。

わざわざ美容師さんは塗る時ここまで説明しないかもですが市販で染めるときは傷みが出る覚悟は必要になってきます。

根本と毛先を時間差で塗るメリットに関しては別記事でも詳しく解説しています。

まとめ

ちょっと難しい話も最後出てきてしまいましたね。

なので今回のことをざっくり分かりやすくまとめると、

・セルフカラーの場合なるべくリタッチだけで済ませた方が傷まない

・もっと言うと表面しか染めなければそこしか傷まないので美容室の繋ぎならオススメ

・キューティクルは爪と同じで再生しないので薬剤が余っても塗る方がもったいない場合もある

・セルフカラーで全体を染める場合は根本と毛先を時間差で塗ると毛先に負担がかからない

・ダメージ以外にも美容室でカラーをした方が髪の状態をプロが見極めてくれるのでメリットが多い

・市販の薬剤は過酸化水素水の設定が強く薬剤の強さをコントロール出来ない

などとなってきます。

市販の薬剤が悪いとかそういう話ではなくそれぞれにメリットとデメリットがあります。

どちらを取るかは自由ですが「知った上で選択する」のが大事じゃないかなと思います。

僕は少しでも皆さんの髪がキレイになればと思います。

これからも個人の僕の視点ではありますが地道に発信していきます。

 

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