美容室でカラーのときに塗り終わったらラップを巻く時と巻かない時がありますよね。
気づいている方や気にしたこと無かった方も様々だとは思いますが実はちゃんと理由があります。
今回はドラえもんがなんで青いのかと同じぐらい重要なことなので解説していきます。
(ちなみにドラえもんが青いのにはちゃんとエピソードがあります)
美容室でカラーの時に塗り終わったらラップを巻く時と巻かない時の違いは?
結論からお答えすると美容室でカラーの後にラップをするかしないかは「明るくするか暗くするかの違いによって使い分けていることが多い」です。
なんだかしっくり来ない答えですよね。
まずは明るくする時と暗くするときの染まり方の違いから解説していきますね。
・明るくするとき
カラーの薬剤もパーマの薬剤もですが基本的に熱により反応が促進されます。
カラーの放置中にラップを巻くと保湿もされ湿熱によりカラーの薬剤の反応が強くなります。
つまり髪の毛を少しでも今より明るくするときには基本的にラップはしているはずです。
ブリーチなどの極端に明るくするときなどはラップと頭皮のだけの熱では足りない事もあるので加温機などで加温することもあります。
普段のカラー(少し明るくする程度)であれば逆にラップ程度の頭皮の体温の熱で十分だったりします。
カラーは基本アルカリ性ですがこれはキューティクルを開くためのアルカリです。
つまり明るくする時には酸素に触れない方がキューティクルがより開き髪内部のメラニンが早く多く抜けてくれます。
・暗くするとき
逆に暗くするときにはラップをしないことも多いです。
これは空気中の酸素を取り込み色素を酸化重合させることで色味を発色しているためです。
バナナやリンゴも放っておくと暗くなりますよね?
あれって酸化しているからですよね。
実は髪の毛も同じ(似たような)仕組みで色を入れています。
色落ちしやすく明るくなってきた人のトーンダウンなどは特にラップをしないことが多い気がします。
キューティクルを開く成分は確かにアルカリですが一般的なカラー剤の別名は「酸化染料」です。
色素は酸化(酸化重合)する事で実は発色しているのです。
この酸化を少しでも促すのが空気中の酸素というわけですね。
カラーは酸化(ヘアカラーで言う暗くすること)と還元(ヘアカラーで言う明るくすること)を同時に行っています。
暗くする場合は還元反応よりも酸化反応が優先されていると言うことですね。
白髪染めも同じ?
白髪染めは基本的にラップをしてもしなくてもどちらでも大丈夫です。
真っ黒の白髪染めよりは少し明るくする場合の白髪染めなどがやはり多いので最初の10分などはラップをすることがほとんどです。
ただ、白髪染めの場合はセーフティーとしてのラップというものあります。
誤ってお客様の指や服などに付かないようにするためです。
指などにもし付いてしまった場合でも自然に2〜3日で取れては行きますがやはり付くとショックですよね。
白い服などは完全には取りきれない場合が多いのであまり美容室に着ていかない方が安全かもしれません。
自分で染める時もラップをした方がいいの?
自分で染める時ももちろんラップをした方がより早く染まります。
「染まる」というと抽象的ですが正しくはより早くメラニンが抜けます。
白髪染めや黒染めなどのトーンダウンは逆にラップをしない方が酸化を促して綺麗に染まります。
「綺麗に」です。染料は酸化していく速度に限界があるので「早く」なるのは気持ち程度です。
ちなみにカラーを自分で行うときの注意点に関しては別記事で詳しく解説してありますのご参照ください。
まとめ
今回のことをまとめると、
・美容室のカラーでラップをするかしないかは明るくする時と暗くする時で大きく分けている
・明るくするときはメラニンを抜く力が必要になるので体温を利用するためと酸化よりも還元を優先するためラップをする
・暗くする時は空気中の酸素とも色素を酸化重合させるのでラップはしないことが多い
・白髪染めの場合も同じでほとんどが地毛より多少は明るくする薬剤なのとセーフティーのためにラップをする
・自分で染める時もほとんどの場合はラップをした方が時短になるし安全
などとなってきます。
たかがラップですが少し難しい酸化とアルカリの話でしたね。
今回は理科の授業みたいでしたがカラーやパーマは奥が深く、しかしそれゆえに、こだわっている美容師はとことんこだわっています。
なんでもそうですが「髪質に合わせて臨機応変に」です。
何気ない仕事でもこだわりを持っている美容師さんは強いと思うので皆さんもいつか理想の美容師さんに出会えるのことを願っています。
ちなみに僕はラップは歌えませんのでご予約の際はあらかじめご了承くださいYO
コメント