今は日本人のほとんどの人がカラーリングをするようになりました。
日本人のだいたい7割〜8割ぐらいの人がカラーリングをしていると言われています。
お婆ちゃんから男の人まで今は色んな人がカラーリングしてますよね。
今日はよくある質問ですが白髪染めと普通カラーの違いについてお話をしていきます。
カラーの種類について
まず、カラーリングをやっている人の9割ぐらいは酸化染毛剤というカラーになってきます。
なんとなくドラッグストアで買っているあのカラー剤も酸化染毛剤だと思われます。
その酸化染毛剤を更に分けるとファッションカラーのラインナップと白髪染めのラインナップになってきます。
その他のカラーの種類としては酸性染料(マニキュアなど)や着色料(カラーチョークなど)などになってきますが今回は割愛します。
カラーの種類についてはまた別記事にて解説いたします。
今回は最も多く使われていて恐らく皆さんも経験したことのある「酸化染毛剤」の話になってきます。
白髪染めとファッションカラーの違いについて
美容師をやっていると、よく聞かれる質問として「白髪染めと普通のカラー(ファッションカラー)ってどう違うの?」なんて言われます。
結論から言うと実は白髪染めもファッションカラーも大まかな違いはありません。
白髪染めとファッションカラーの違いは白髪を染める色素の量が濃いか濃くないかの違いです。
白髪染めとして作られている薬剤は色素が濃いため白髪もしっかり染まります。
白髪染め目的でない薬剤も色素は入っていますので白髪に色はつきますがはっきりと染まりはしません。
次の項目で具体的に白髪染めとファッションカラーのそれぞれの具体的な特徴を解説していきます。
白髪染めの特徴
白髪染めの特徴は、
・しっかり白髪が染まる
・色落ちしにくい
・明るさを出すのは得意ではない
などとなってきます。
順番に解説していきます。
・しっかり白髪が染まる
当たり前ですが白髪染めの目的は白髪を染めて無くしていくことです。
なのでしっかり白髪が染まるのが白髪染めの特徴です。
ここで言うしっかり染まるというのはファッションカラーに比べたら白髪に対してしっかりとブラウンが定着するという意味です。
ファッションカラーでも白髪は染まらなくはないですが周りの髪の毛が黒髪だとちょっと染まり切ってないのが目立ってしまうかなって印象ですね。
・色落ちしにくい
白髪染めはファッションカラーと比べて色落ちがしにくいです。
色素が濃く入っているため簡単に明るくはならないということですね。
この色素が濃いというメリットは表裏一体で次にカラーをする時に簡単に明るく出来ないという点もあります。
なのでずっと白髪染めをしていくのであればいいのですが初めて白髪染めをするときは注意しましょう。
・明るさを出すのと色彩を出すのは得意ではない
白髪染めは色が濃い分、明るさを出すのは苦手です。
なので明るくするために白髪染めを選定することはほぼないですね。
色味(アッシュ系やマット系、ピンク系などの色味自体)を入れたりすることは苦手です。
とはいえ今のニーズとしては白髪染めでも色味を楽しみたい方は多いです。
最近は色味を入れつつ白髪も染まるような薬も増えてきてはいます。
ファッションカラーの特徴
ファッションカラーの特徴は、
・明るさが出やすい
・色の種類が豊富
・鮮やかな色を発色しやすい
などです。
そもそもファッションカラーは明るくして雰囲気を変えたり色味を入れて気分転換したりとイメージチェンジが目的です。
なので明るさが出やすかったり鮮やかに発色するように作られています。
こちらも順番に解説していきます。
・明るさが出やすい
ファッションカラーの目的はイメージチェンジです。
なので白髪染め目的のものよりも明るくなりやすいものが多いです。
もちろんブリーチなしでの明るさに限界はありますけどね。
・色の種類が豊富
ファッションカラーは白髪染めよりもカラーチャートのラインナップが多く色の種類が豊富です。
他の色と混ぜて希望の色に発色させやすいです。
白髪染めであれば白髪をしっかり染めるために一定数のブラウンなどの白髪を染めるための色素を入れないといけません。
なので色味を入れる余地があまりないですがファッションカラーであればそのリソースを色味(ピンクやアッシュなど)に使うことが出来ます。
これにより白髪染めよりも結果的に色の種類が豊富になってきます。
・鮮やかな色を発色しやすい
ファッションカラーは白髪染めと比べると特に鮮やかに発色しやすいです。
特にブリーチをしていると顕著に現れてくれます。
グレージュならグレージュ、ピンクならピンク系に綺麗に発色しやすいです。
もちろん黒髪から染めたり茶髪から色を入れた場合に入る色に限界はありますが白髪染めの薬剤と比べると発色してくれます。
白髪染めで明るくしたい場合は?
白髪を染めたいけど明るくもしたいって人も多いと思います。
そのような人には私たち美容師は白髪染めの薬にファッションカラーの薬を足して作ったりもしています。
そうすることで確かに白髪が染まる力は少し落ちますが色味を楽しむこともできます。
白髪染めの薬は黒ければ黒いほど染める力が強いです。
明るくすれば白髪を染める力は弱まりますが白髪染めで明るくすることもNGではありません。
カラーの違和感というのは要はコントラストの問題です。
明るい色は薄く染まった白髪と馴染みます。
ぼんやりと染まった白髪と明るく染まった茶髪というコントラストになります。
白髪があるのに染めてないと汚らしいという風潮があるのはありますよね。
それは白と黒だとコントラストがはっきり出ていて目立つから、ではないでしょうか。
しかし前述の染まり切れてはいない茶色(もと白髪の部分)と明るい茶色(もと黒の部分)だとコントラストがはっきりしてないので例え白髪が染まっていなくても目立たないんですよね。
ファッションカラーに白髪染めを混ぜる場合もある
逆にファッションカラーの人でもいつも色味をしっかり入れて暗くしているのに色落ちが激しくどんどん明るくなってきてしまう人もいますよね。
そのような人はいつもの色ににほんの少し白髪染めの薬を混ぜると色もちがすごく良かったりします。
繰り返しますが白髪染めもファッションカラーも結局は同じカラーの分類で、はっきりとした線引きはないです。
なので少量を混ぜたりして両方のいいとこ取りをした調合をしている美容師さんも多いです。
ちなみに市販の薬を混ぜたりするのは絶対にやめましょう。
カラー剤は医薬部外品であり危険な化学物質です。
今はネット上でもいろんな情報があります。
しかし素人が見よう見まねで調合すると彩度や明度はおろか、皮膚疾患や重大な髪のダメージになりかねません。
カラー剤のメーカー様も混ぜるなと表記していますので責任も取ってくれません。
自分でやる場合も適切に適度にカラーリングを楽しんでいきましょう。
まとめ
今回のことをまとめると、
・白髪染めは色素の濃度が濃く色持ちが長いが明るい色は苦手
・ファッションカラーは彩度の高い色を発色しやすく明るさも出やすいが色持ちは良くない
・ファッションカラーは色の種類も多いのでブリーチした髪などにはファッションカラーを使うことが多い
・白髪染めでも明るくすることはできるし明るくしてもコントラストの関係で違和感はない
・白髪染めとファッションカラーを混ぜて使うことも出来る
・市販の薬を混ぜると爆発する(違うけどそれぐらい危ない)
などとなってきます。
白髪染めで染めるかファッションカラーで続けていくか迷っているのであれば美容師さんなら適切に使い分けて対処してくれるはずです。
悩みや本当はこうしたいって願望があれば相談だけでもしてみましょう。
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