パーマを何回かかけている人だと「クリープパーマ」というものを聞いたことがあるかもしれません。
今はパーマの種類も多いですがクリープパーマとはパーマの種類ではなくパーマのかけ方の話になってきます。
今回はそのクリープを使ったパーマのメリットやデメリットについて解説していきます。
ちょっとケミカルな話になってきますので苦手な人もいるかもしれませんが一緒に学んでいきましょう。
クリープパーマとは?
そもそも一般的な「クリープ」のニュアンスとは「力が加わっている時間に応じて固体に歪みが起こっていく現象」のことを指します。
これを髪の毛に応用しパーマに活用させたのがクリープパーマです。
クリープという現象は高温下だとより効果が出てジワジワと固体が変化していきます。
これにより薬剤を継ぎ足すことなく無駄なダメージを加算せずにパーマをかけることができます。
クリープパーマのメリット
具体的にクリープパーマのメリットですが、
・パーマのかかりが良くなり持ちも良くなる
・髪への負担が通常より少なくパーマがかかる
などとなってきます。
それぞれ詳しく解説していきます。
・パーマのかかりが良くなり持ちも良くなる
クリープパーマは薬剤の力に更に応力を足したようなものです。
そのため基本的にパーマのかかりはクリープしない場合と比べて良くなり、パーマ自体の持ちもかなり良くなります。
しっかりかけたい場合やすぐにパーマが落ちてしまう人などはクリープパーマが向いていると言えます。
・髪への負担が通常より少なくパーマがかかる
薬剤の効果を引き伸ばすのがクリープパーマです。
なので強い薬剤で強くかける方法と違い髪への負担が少ないです。
クリープパーマのデメリット
ここまでメリットばかりを聞くと「クリープをするに越したことはないんじゃない…?」と思うかもしれませんがしっかりデメリットもお伝えしておきます。
クリープパーマのデメリットは、
・美容室の滞在時間が長くなる
・何回もお湯や薬剤をつけるので頭皮が気持ち悪くなる
などとなってきます。
またそれぞれ解説していきます。
・美容室の滞在時間が長くなる
まずクリープパーマの最大のデメリットであり数々の美容師さんの障壁が「滞在時間が長くなる」ということです。
クリープパーマとは薬の効果を時間と応力で引き伸ばすようなものなので施術の時間が長くなります。
具体的にはプラス15分から30分ぐらいのイメージです。
本来は次の時間で切れる人も切れなくなってしまう、待たせてしまう可能性が出てきます。
これが理由でいいことばかりのクリープパーマはなかなか実際に美容室で見かけることは多くありません。
本当にパーマがかかりづらい人にのみ行っているようなのが実態です。
後は美容師からしても「どこからがクリープなのか」がはっきりしていないところもクリープパーマが定着していない原因だと思います。
5分置いただけでもクリープパーマと言ってしまえばクリープパーマです。
トータルで20分ぐらい使ってもクリープパーマです。
これにより5分でもクリープだからプラス料金、20分でもクリープだからプラス料金となってしまったり、5分だから料金はいいよ、など線引きが曖昧になってしまいがちです。
本当は適材適所にパーマのかけ方を変えてお客様にも行っている施術の説明をするのが一番いいです。
とはいえ最近は「クリープパーマ」というクーポン(メニュー)を設けてプラス料金を取ることでこの問題を解決している美容室もあるのでホットペッパーやホームページなどで確認してみましょう。
・何回もお湯や薬剤をつけるので頭皮が気持ち悪くなる
これをデメリットとカウントするかどうかは人によるとは思いますが、、、
パーマはロッドを髪に巻いて置いているだけでも頭が重くて「早く終わらないかなぁ」なんて思う人が多いと思います。
クリープパーマはその状態で更に通常のパーマよりも水で流す回数が増えていきます。
頭皮を伝って水が垂れてくるあの感覚が流す回数が増える分、多くなってしまいます。
ダメージレスに時間をかけてしっかりかけていくパーマなので仕方ないことではあるんですけどね…
クリープパーマの具体的な手順
再三お伝えしてますがクリープパーマとはパーマのかけ方の話です。
なのでどういうかけ方(手順)で行っていくか簡単に流れを解説します。
1、髪の毛が濡れた状態でロッドを巻いていく
ドライの状態で巻く場合や1剤をつけてから巻く場合もあります。
2、1剤の薬をつけて髪の毛の結合を切っていく
髪を柔らかくしてロッドの形が定着しやすいようにしていくイメージです。酸化の反対の還元という反応を行っています。
3、中間水洗で1剤の薬剤を流す
この時にロッドは巻いたままです。専門的な話をするとアルカリ度が高い薬剤はシャンプー台での水洗、それ以外はスポイトでの水洗が多いです。
4、熱を当ててクリープさせる
ここが通常のパーマとクリープパーマの違いです。
クリープにより薬剤の力ではなく応力で形を形成していきます。
乾いていると髪の毛の再還元ができないのでホットタオルを巻くなど湿熱によるクリープが多いです。
通常のパーマではこの工程を飛ばしています。
5、2剤の薬をつけて酸化させる
酸化することで形が定着します。
クリープを挟むことによって一度中性を経由し、急激な酸化にならないので2剤によるダメージも抑えられます。
以上が一般的なクリープパーマの流れになってきます。
結局どういった人にオススメ?
結局どういう人にオススメかというと、
・パーマがいつもすぐに取れてしまう人
・明るめのカラーをやっていたり毎日アイロンを使っていたりで既に傷んでいる人
・美容室の滞在時間は長くてもいいからダメージレスにパーマをかけたい人
などとなってきます。
繰り返しますがクリープパーマとはパーマのかけ方の話でパーマの種類の話ではありません。
最終的には美容師さんが判断してやってくれると思うので実際にホットペッパーなどでクーポンはないところが多いと思います。
なのでクリープパーマをやりたい時、この記事などを見て気になった時は、
「なんかネットで調べたらクリープパーマってのが髪に良いって聞いたんですけど私の髪の状態だとどう思いますか?」
ぐらいの感じで美容師さんに投げかけてみるのが現実的かなぁと思います。
今回の記事もそうですがかなり専門的な話が多く入ってきてしまうのでカウンセリングでしっかり説明することは難しいかもしれませんが美容師さんは知らないはずがないので取り入れてくれたりアドバイスをしてくれる人がほとんどだとは思います。
縮毛矯正やデジタルパーマなどでもクリープは可能です(美容師さん向けなケミカルな話)
余談ですが縮毛矯正やデジタルパーマでもクリープは可能です。
ちょっとこれは美容師さん向けのケミカルな話になってきますが。。。
デジタルパーマの場合
デジタルパーマであれば1剤を流した後にロッドを巻いて熱を当てていくと思います。
その時に通常は熱を加え続けて乾かしていき結合を固定していきますよね。
デジタルパーマでのクリープ効果を狙うのであれば巻いた後に20分加温するとしたら最初の10分前後は乾かないように専用のロッドを囲い込むようなクリップを使います。
そうすることによってコールドパーマのクリープと同じでクリップの内側に湿熱が発生しクリープが起こります。
いいタイミングでクリップを外して後は通常通り加温しガラス化に移行し2剤で完了です。
縮毛矯正の場合
縮毛矯正の場合も似たようなタイミングで実はクリープが出来ます。
1剤を流した後にクリープをします。
濡れたままのドライヤー前の状態で少し時間を置くと縮毛矯正でもクリープが可能です。
ただこの場合は引っ張る力が働かずに応力に期待できないので再還元という形がメインでのクリープとなります。
なので「残留しているアルカリを逆手に取る」ということです。
そのため現実的なのはシャンプー台などでミストを当てたりホットタオルを巻いたりして5分ちょっと時間を置いて再度流す、といったところかと思います。
もしくは矯正の1剤の後にシャンプーをしてそこからカットをするとカット中に少しですがクリープ効果を期待できます。
僕は後者を使うことの方が多いです。
デジタルパーマも縮毛矯正の場合も時間は少しかかるかもしれませんがダメージを抑えられて優しい薬剤でも少ししっかりめにかかってくれるのでオススメです。
まとめ
今回のことをまとめると、
・クリープパーマとは応力を利用し時間をかけてダメージレスにかけていくパーマ
・クリープをすると美容室の滞在時間が最大30分程度多くなり水洗の回数も多くなる
・パーマが取れやすい人や既にダメージがある人などはオススメ
・良いことばかりだが時間がかかるため美容師はクリープパーマをやりたがらない(最近はプラス料金になっている)
・デジタルパーマや縮毛矯正でも一応クリープ効果を期待できる
などとなってきます。
このブログでもパーマの記事を多く書いていますがパーマはアイロンで巻いた時とまた違った質感でカールが出てくるのでとてもオススメです。
特に、
・アイロンで巻きたいけど自分でうまく巻けない人
・朝のアイロンで巻く時間がもったいないと感じている人
・アイロン(コテ)の質感に飽きてきた人
などはパーマがいいかもしれません。
美容師さんに細かいところまで相談して決めてみてくださいね。
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