髪のダメージの元になる金属イオンという言葉をご存知でしょうか?
これはパーマ剤やカラー剤、さらには水道水などにも含まれていて髪の毛の結合の邪魔をしてダメージの原因になるものとなっています。
最近は昔より認知度が上がってきていてこの金属イオンが髪に良くないというのはなんとなく知っている方も多いような気はします。
今回はこの金属イオンがあると髪がどうなるのか、金属イオンを除去するにはどうしたらいいのか、などについて解説していきます。
水を使う限り金属イオンは髪にずっと付きまといますので生まれてからシャンプーをしたことないお客様など以外は大切なお話になってきます。
金属イオンとは?
金属イオンとはパーマやカラーをすることで多量に髪の中で発生して髪の結合を邪魔します。
普段使っている水道水などもカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの金属イオンを付着させ蓄積されていきます。
しかしその中でも特に
髪に侵入しやすく厄介なのが銅イオンです。
実はシャンプーなどにキレート剤(※後述で詳しく解説します)が少しですが入っていて金属イオンを付着させないようになってはいます。
ただ、やはりそれだけでは防ぎ切ることができず徐々に髪の毛に蓄積されていきます。
イオンなのでプラスとマイナスにわずかに帯電しており髪の毛のイオンとくっつき吸着します。
つまり水道管や給湯器を経由した水を使う限りこの金属イオンを髪の毛から切り離すことは不可能だということです。
金属イオンと酸化について
金属イオンはそれ単体でも十分髪にはよくない邪魔者ですが酸化をすることによって急激にダメージを引き起こします。
特にカラー剤やパーマ剤などの酸化剤などは注意が必要です。
カラーであれば2剤の過酸化水素水、パーマであれば2剤の臭素酸ナトリウムやブロム酸ナトリウムなどが金属イオンを急激に反応させる原因となっています。
髪の毛にダメージがいくブリーチや縮毛矯正などは薬剤が強い分やはり金属イオンの反応は大きいです。
さらに、この金属イオンのダメージはこのブログでも散々解説しているアルカリよりもダメージが大きいとされています。
特に髪の毛が長い人は長年の水道水などからの金属イオンで髪の毛が乾燥しやすくなっていることが多く注意が必要です。
これは10円玉を思い浮かべれば想像しやすいかもしれません。
最初はピカピカの10円玉でも時間が経ち酸化すると徐々に色が濁ってきますね。
あの現象が髪の中でも急速に起こっているということです。
肩甲骨辺りまで髪の長さがある人はトップの長さは30センチ前後あるとは思います。
そうなると毛先は2年半以上前に作られた髪の毛ということになりますので確実に金属イオンは蓄積しているはずです。
対策とキレート効果について
ここまで聞くとどうしようもない金属イオンのように思われますが対策はあります。
それが最初にもチラッと触れたキレート剤です。
キレート効果とは体内の有害物質を体外に排出するのを助けたり、逆に体にいいものを体内に取り込みやすくする効果のことを指します。
美容室で多く使われているキレート剤は「ジカルボン酸」だと思います。
このジカルボン酸が金属イオンを吸着してシャンプーの時に一緒に流してくれます。
つまりジカルボン酸が配合されている中間処理剤みたいなのがあるとパーマやカラーのようなメニューととても相性がいいということですね。
プラスでトリートメントも行うと金属イオンという邪魔者がない状態でトリートメントが浸透しやすくなってくれます。
ちなみにこのキレート剤が元から入っているカラー剤があります。
それが「イルミナカラー」です。
これは別記事でも詳しく解説していますがWELLAさんが独自の技術で特許をとっています。
ちなみに髪の毛が関係のないところで身近なキレート剤だとコンビニなどに売っている「キレートレモン」などがそうですよね。
名前の通りキレート効果が売りになっています。
レモンに含まれるクエン酸がカルシウムや亜鉛などのミネラルを吸収しやすい形に包み込んでくれることと体の抗酸化作用もあるので僕も大好きです。
脱線しましたが10円玉をジカルボン酸でひたひたにしていると銅イオンが除去されるので水で流すととてもピカピカになります。
これと同じことが髪の中で起きるということですね。
手間をなるべくかけたくない!という人はシャンプーから変えてみるのもありかもしれません。
キレート効果があり、ごわつきの原因の金属イオンを取り除いてくれるシャンプーです。
ブリーチ毛の自分もここ数年ずっと使っていて美容師として自信と責任を持っておすすめできるシャンプートリートメントです。
まとめ
まとめると、
・髪のダメージの原因の大きな1つが水道水などに含まれる金属イオンの蓄積
・金属イオンは水道管や給湯器を経由して髪に付着するので防ぐのはほぼ不可能
・金属イオンの中でも銅イオンはカラー剤パーマ剤の酸化剤と反応しやすくダメージの原因
・金属イオンを取り除くのにキレート剤を使うと包み込んで除去してくれる
・キレート効果とは体内の有害物質を排出しやすくしたりミネラルなどを取り込むのを助ける効果
・イルミナカラーは金属イオンを取り除ける特許をとっている
などとなってきます。
今回はケミカル的な話がメインで難しかったかもしれません(いつもかもしれないけど)
でも水道水は毎日使うのでこういう仕組みになっているということをざっくりとでも理解しておくと毎日触る髪の毛の解像度が上がって(表現正しいかわからないけど)面白いと思います。
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